包帯の威力

手術の日。

病院に着いて、形成外科に行くと、看護師さんが
「身についてる金属のものを、全て取ってください」と言わはるではありませんか。

私の耳には、15個のピアスと、1個のファーストピアスが付いています。

慌てて取ろうとしますが、汗で、するんするんと滑って取れません。

ピアスは、全部ボディピアスなので、キャッチは丸い玉なのです。

看護師さんが「恐い〜恐い〜」と言いながら、一緒に取ってくれはりました。

ファーストピアスだけは取りたくなかったのですが、なんでも「電気メスを使うから、やけどするので」という理由で、虚しくファーストピアスを抜きました。


手術室までは、徒歩で看護師さんと行きます。

車椅子とか、ベットでしか入ったことがないので、きょろきょろと辺りを見回している間に、着きました。

上着だけ着替えます。

?

ジーンズとベルトは?

「皮膚に触れてなかったら、どうもないんですよ」

ああ、そうですか。ファーストピアス・・・。

「手術しているところは、見ることはできますか?」
「いや、布を被せるので、無理です・・・」

手術台に乗って、左手には血圧をはかる帯状のものと、指先に血中酸素濃度を測るものが付けられていきます。

「はい、ちょっと失礼しますね〜」と、胸に心電図のシールを貼っていかはります。


「えっとね、」
「あ、せんせ」
「あ、こんにちは」
「皆さん大きなマスクしたはるから、わかりませんね」
「それより、痛かったら、言うてね」
「はい」

右手を伸ばして、消毒してはる様子。

「じゃ、麻酔の注射をします〜」
「は〜い」
「いちいち返事はいいですよ」
「あ、そうですか」
「・・・痛くないんですか?」
「はい?」
「いや、普通、手に注射なんて、皆さん痛くて悲鳴上げる人もいらっしゃるくらいですよ」
「・・・どうもありませんが・・・」
「ま、その方がいいですけどね」

とかなんとか話している間に、4本、注射されました。

「まぁ、それだけたくさんのピアスしてるくらいやものね」
「痛み止めを飲んでるからでしょうか?」
「・・・始めます」

この女の先生、結構かわいい顔したはるのに、なんか冷たいのです。

2人の先生が、なんかごにょごにょ言いながら、なんかしたはります。

私は、はっきりとは聞き取れないし、はっきり言って、暇です。

で、最近忙しかったから、つい、うとうとと寝てしまいました。


「いた!」
「あ、痛かったですか?」
「はい」
「じゃ、麻酔を追加しますね」
「お願いします」

寝ていたのに、起きてしまいました。

くすくすと笑いながら、看護師さんが「今、寝てました?」と訊かはるので「はい」と答えると、2人の先生にも看護師さん達にも、皆さんに笑われました。

どうやら、手術の所要時間の見積もりよりも、長くかかってしまい、麻酔が切れだしたらしいのです。

で、8針縫合してもらい、終了しました。


説明によると、血管を2本、縫合しはったそうです。

神経は、たぶん、切れた時に、細い神経が切れて縮こまったそうです。

神経は、また再生していくらしいので、所謂「日にち薬」な部分もあるそうです。

包帯をぐりんぐりんに巻いてもらい、よぼよぼと帰ると、たかしが飛んできました。

「どやった? しんどない? ちょっと寝る?」
「うん、ちょっとふらふらするし、横になるわ・・・」
「痛い? ご飯、オレ作るさかい、気にせんでもええしな」
「ああ、ありがとう」

この包帯のお陰で、すごい待遇の良さ。

お茶は持ってきてくれるし、ご飯は作ってくれるし、扇風機を私に向けてくれたり「あ、寒いか?」と、パーカーを肩にかけてくれたり。

う〜ん、包帯の力って、すごい。


次の日、傷口を見せに行くと、いい感じだそうで「ゲンタシン」という薬を塗って、絆創膏を貼らはりました。

絆創膏?

包帯は?

「とにかく、きれいにしておいてください。もしも、膿んだら、診察日以外の日でもいいから、すぐに来てください」

来週、また行って、抜糸できるようなら、抜糸してもらいます。

帰ると、たかしが指を見て「ほっとしたわ〜」と言い、その晩はご飯は作ってくれませんでした。

絆創膏では、説得力に欠けるようです。
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by marurin373 | 2016-06-17 05:33 | 病気のこと | Trackback | Comments(0)