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ことの始まりは、こうでした。

私が、病院の待ち時間の時に、己の「手の甲」を、しみじみと眺めていて、なんともその年寄り臭い、ごつごつして、色艶の悪いのが、ほんまにイヤやなぁ、と、思っていました。

病院の帰りにたまたま寄ったドラッグストアが、全商品5%オフの日だったので、いろいろと見て回っていたのですが、ふと、ネイルケアの棚に目がいきました。

私の爪は、形も悪く、深爪で、色も悪い。

なので、高価なものではなく「ちふれ」のマニュキアの中で、一番ベースとなるような「肌色」のものを選び、ついでに除光液も買って、家に帰ってから、早速爪にマニキュアを塗っていました。

たかしが「プラモデルを作ってる匂いがする」と言って、私のところに来て「あんた、何してんの?」と言われました。

「いやな、かあちゃんて、爪の色も悪いさかいにな、マニュキアでも塗ろかなぁと思てな」
「ふ〜ん」
「こんなん、滅多にせーへんさかいに、うまいことできひんわ」
と、私が言うと、たかしが「右の手の爪、塗ったろか?」と言うてくれました。

「きれーいに、根元から先に向かって、まんべんのう塗ってや」
「頑張ってるがな」

たかしは、元来丁寧な仕事をするし、マメなので、思っていたよりも、きれいに塗ってくれました。

「ありがとうさん。あんたさん、きれいに塗れるんやなぁ」
と、私が言うと。

「オレにも貸して」

?

「・・・塗るん?」
「うん」

たかしの指は、亡父にそっくりで、しゅっとしてて、爪の形もきれいです。

亡父は、若い頃、そのあまりにも綺麗な指と爪の持ち主だったので、よく会社で女子社員に真っ赤なマニュキアを塗られていたそうです。

それ程までに、きれいな爪の形と指をしていたのですが、私ではなく、亡弟と、たかしが受け継ぎました。

たかしは、丁寧に、真剣に肌色のマニュキアを塗り出しました。

「かあちゃん、」
「何?」
「ちょっと失敗したし、取るのん貸して」
「ほい」
「ありがと」

ティッシュに染み込ませ、きれいに拭き取り、そしてまた塗り出したのです。

「かあちゃん、」
「何?」
「左手はきれいに塗れるんやけど、やっぱり利き手やない方がうまいこと塗れへんし、ちょっと塗って」


そういえば、たかしがまだ中学生の頃。

髪の毛を切りに出掛けるのも嫌がっていた為、横も後ろも、そして前髪も、思う存分伸び放題でした。

いつも私がゴムで髪の毛をくくったりしていましたが、じゃまくさいので、100円均一のお店で「カチューシャ」を買い、たかしはその「カチューシャ」を気に入って、毎日装備していました。

その時も、こんな気持ちになりました。

「私が産んだのは、男の子やんな?」

まぁ、私も、角刈りにして、しかも金髪にしたりするので、我が家は「ユニセックス」な家風ということで、たかしのことも暖かく見守っていきたいと思います。

今では、私よりもたかしの方が、爪のお手入れに熱心です。

爪切りなど使わず、爪やすりで、きれいにしてはります。


・・・このままでも、ええんやろか?

とか、思わないでもないですが、まぁ、面白い面もあるので、暫く飽きるまで、放っておくことにしました。

髪の毛も、短いよりも、長くしたいということも、先日初めて知ったし。

私が「おっさん」みたいやから、反動で、こんなになるんかなぁ。






by marurin373 | 2017-04-26 00:16 | 息子(たかし) | Trackback | Comments(0)