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感謝する男

たかしにご飯を作るの事は、私の毎日の中でも、1番の喜びでもあります。

毎日毎晩、テーブルにご飯を持っていくと、感激しはるのです。

「んまそー!」とか、
「ひゃー!」とか、
「すげー!」とか。

それがハンバーグでも、オムライスでも、きんぴらごぼうでも、筑前煮でも、3日続いたカレーでも。

「んまい、んまい」と言って、わしわしと食べてくれはる姿を見ると、本当に作り甲斐があるなぁと思います。

「んまいわぁ」
「かあちゃんの つくるごはんて、どれも おいしいわー」
そう言ってもらえて、私もありがたく思います。

喜んでくれるたかしにご飯が作れる幸せ。

そんな幸せを毎日味わっています。


私が晩ご飯を作っている時、たかしは何度も何度も台所に来ます。

「なぁ、きょうの ばんごはん、なに?」
「ちょっと あじみ しても、ええ?」
「これ、みじんぎりに すんの?」
「なに やくん?」
「きゅうり たべえも ええか?」

あぁ、ウルサいうるさい。

いつもなら適当に応える私ですが、しかし毎度毎度機嫌が平坦なワケではない。

私も、いろいろと考え事をして頭の中がいっぱいになっている時もあります。

その日は、たかしの大好きな「茄子ミートスパゲッティ(我が家ではパスタをこう呼ぶ)」を作ろうとしていました。

「ミート」の部分が好きなのではなくて「茄子」の部分が大好きなのです。

なので、お茄子を4本程、食べ易い大きさに切っていました。

「かあちゃん、きょうの ばんごはん、なに?」

ここで私の「いじわる」心がむくむくと。

「お茄子」
「おなす?」
「お茄子」
「おなすだけ?」
「お茄子だけ」
「しろい ごはんは?」
「炊いてへん」
「おしるは?」
「作ってへん」

「おなすだけ?」
「あんた、お茄子、好きやろ?」
「すきやけど・・・」
「ほな、お茄子」
「やくん?」
「焼こか?」
「なまのまま?」
「焼いてほしいか?」
「・・・やいてほしい」

たかしは、とぼとぼと部屋へと戻らはりました。

私はそんな遣り取りなどすっかり忘れ、ちゃんと「茄子ミートスパゲッティ」を作り、部屋へ。

「わぁ!」
「どしたん?」
「かあちゃん、ありがとう〜!!」
「何やさ」
「スカベッティ(たかしはパスタをこう呼ぶ)まで つくってくれたんやなぁ」
「まぁな」
「なんか、かんげきやわ・・・」
「うん」
「・・・おいしいわぁ〜!」

涙目で食べたはりました。


先日の遠足の前の日。

遠足の前の夜は、いろいろと用意をして、またリュックの中を点検して、お菓子を見て、一応「いま、たべたら あかんよなぁ?」と確認し、なかなか寝ようとしはりません。

「早よ寝よし」
「わかってる」
「明日、起きられへんえ」
「わかってるやん」

そんな会話を何十回と繰り返しましたが、一向に寝る気配がない。

「もうな、寝ーへん人にはな、お弁当、作らへんよ」
「えぇーっ」
「お弁当食べたかったら、もう早よ寝よし」

こんな会話も何十回としましたが、まだ寝そうにない。

「もうな、寝ーへん人にのな、お弁当はな、焼かへん食パン、1枚だけ!」
「えぇーっ! やかへんの?」
「焼かへん」
「えぇーっ! ジャムとかは?」
「なし」
「ええーっ! どんなして、たべるん?」
「焼かへん食パンをな、1枚だけ、もさもさ食べときよし」
「ええーっ! いややー」
「だって、寝ーへんやんか」
「しょくパン 1まいだけやったら、ぜったい たりひんもん」
「ほな、生卵1個、付けたげるわ」
「どんなして たべるん?」
「穴をちょこっと空けてな、ちゅーって、吸うねん」
「そんなん、できひんわー」
「あ、水筒のコップんとこに割って入れて、ごくって飲んだらええやんか」
「あじつけなし?」
「元気になるえ」
「ええーっ・・・・」

これでやっと、たかしはベッドに。


翌朝、私はまたそんな遣り取りがあったことなど忘れて、お弁当を作りました。

たかしのお弁当は、1合分のおにぎりが入ったお弁当箱と、おかずが詰まったお弁当箱の2つ。

その日は私も仕事だったので、私の分も作りましたが、量はたかしの半分。

たかしは、夜更かしのせいで、やはり朝はなかなか起きられず、ぎりぎりまて寝ていましたが、それでもなんとか集合時間には間に合いました。


私もお昼にお弁当を食べましたが、もうお腹がいっぱいに。

たかしはこれの倍食べてるんか・・・と思うと、その大食漢ぶりに改めて驚きました。


早目にお迎えに行くと、たかしがいつもよりも倍増された笑顔で出迎えてくれはりました。

よほど遠足が楽しかったんやなぁと思っていると、突然たかしが
「かあちゃん! ありがとう!」と叫びました。

何が?

「かあちゃん、ちゃんとオレに おべんとう、つくってくれたんやなぁ」
「ふん」

どしたん?

「ほんっまに、おいしかったわ」
「うん」

いつも作ってるのに、今日はどうしたんや?

帰り道で話してくれましたが、たかしは「今日のお弁当は焼かへん食パンが1枚と、生卵が1個」と覚悟して、お昼時を迎えたそうです。

「リュック あけたらな、いつもの おべんとうの ふくろ みえたしな、あー、これにしょくパンが はいってるんかーて おもてん」
「そうかいな」
「オレな、なまたまご はいってると おもて、はしらへんように きぃつけてたんやで」
「そうか」
「われたら、たべれへんやろ?」
「そうやなぁ」
「でもな、いつもの おべんとうが はいってたしな、もう かんげきしてな、なきそうになってん」
「そうか」
「かあちゃん、ほんっまに、ありがとうな!」

エラい感謝されました。


今日はYMCAの日でした。

朝方、割りとひどく雨が降っていたので、雨のプログラムで動物園に行かはりました。

それでもかなり楽しかったらしく、お弁当は全て食べてあり、家に着くなり「おなかすいた〜」と叫んだはりました。

それで、またまた「茄子ミートスパゲッティ」を作る私。

(今、野菜の中ではお茄子が安いので、どうしても日々のローテーションの中に「茄子もの」が増え、しかも急いでいる時はスパゲッティになってしまうのです)

ちょうどお鍋にお湯を沸かしている時に、たかしが「きょうの ばんごはん、なに〜」と聞いてきました。

「お湯」
「おゆ?」
「お水でええか?」
「おゆだけ?」
「ほな、お塩入れるわ」
「あじ、おしおだけ?」
「沸騰したらな、おたまですくって、ごくごく飲むねん」
「しろい ごはんは?」
「炊いてへん」
「おしる・・・て、おゆがあるんか・・・」

ぶつぶつと言いながら、部屋へと戻るたかし。

「かあちゃん、」
「何?」
「おゆの なかにな、うんどん いれへん?」
「おうどん、ないもん」

「かあちゃん、」
「ん?」
「ほな、めんつゆは?」
「あ、お素麺か? ない」

「かあちゃん、」
「なんやな」
「べつに らーめんでも ええよ」
「晩ご飯に、ラーメンはあかん」

たかしは、何度も何度も台所を覗いては、いろいろと提案してきはりました。

もう何もかもを諦めた様子でテレビを見ていたところに、今夜も「茄子ミートスパ(略)」を持って行くと、たかしが歓喜の声を。

「かあちゃぁん! スカベッティも いれてくれたん?」
「うん」
「あ! おなすも!」
「好きやろ?」
「もう、ほんっまに、かあちゃん すきやわー!」
「そうか?」
「ありがとう〜」

今夜も喜んでくれはりました。

しかし、いい加減に気付いたらええのに。

やっぱり、想像通り、期待を裏切ることなく、寝る前に小腹が空いたらしい。

こんな時の為に、レトルトのカレーが常備されています。

「かあちゃん、」
「ん?」
「かあちゃんの つくる カレーて、ほんっまに おいしいわ〜」
「それ、ポケモンのカレーえ」

それでもめげないたかしくん。

「かあちゃんが あたためただけの カレーて、ほんまに おいしいわ〜」

ここまで感謝されると、悪い気はしません。
しませんが、ちょっと申し訳なくなります。


明日も、たかしの喜ぶ顔を見たいので、たくさんの晩ご飯を作ろうと思います。

・・・私も「誉められて伸びる」タイプなんかもしれへんなぁと思う今日この頃です。


今日の絵です。
感謝する男_b0049646_21241824.jpg

タイトル「めびゆす」


・・・円谷、ごめん!
Commented by stretch_tongari at 2006-07-02 22:47
w( ̄▽ ̄;)wワオッ!!
たかしくん・・・そんなに食べるんですね。
中学生くらいの成長期になったら、どれだけのご飯を食べるんでしょう?
心配になっちゃいます(笑)
ちなみに我が家は夕食に1合を3人で食べます。
Commented by suganaolucky5151 at 2006-07-02 23:23
>「沸騰したらな、おたまですくって、ごくごく飲むねん」
えぇ~!!!!
食べる事命の私だったら、そんな事言われたら泣き出しちゃいますヨ。
晩御飯がお湯って・・・!!プププ 笑
咄嗟にそんな台詞が出るmarurinさんて 才能ある~~
Commented by bonita_bonita at 2006-07-03 14:59
おもしろい〜!(笑)
しかも、毎回ガックリなってるのが可愛いですね!
でも、「感謝する心」ってとーっても大切な事ですよね。
自然と出来てるたかしくんてスゴイ。
たかし君の成長が楽しみ〜(o^^o)
by marurin373 | 2006-07-02 21:29 | 息子(たかし) | Trackback | Comments(3)