人気ブログランキング | 話題のタグを見る

涙腺の弱い男

土曜日、雨の中TSUTAYAに行き、ポケモンのDVDをたくさん借りてきました。

「かあちゃん、"ミュウと はどうのゆうしゃ"が、どしても みたいねん」
「恐い映画らしいよ」
「・・・ゆうき だして みてみる」

どうしても見たいらしい。

ウチは、何故か「テレビ大阪」が写らないので、テレビで「ポケモン」は見ていません。

たかしは、ゲームや本の中で見ているポケモンが、実際に動いている映像を見て、かなり感激していました。

「ミュウと波動の勇者 ルカリオ」を見た最初の感想は、
「ルカリオって、しゃべるんや〜!」でした。

「きっとな、正雄とか義男みたいにな、ルカリ男ていう名前なんと違うか?」
「・・・ちょっと だまってて」

叱られました。

「このサトシって、肩凝らへんのやろか?」
「なんで?」
「いっつも、ピカチュウ肩に乗せてはるし」
「・・・もう かんがえんでもええ」

また叱られました。

出て来るポケモンの事を、正式名称ではなく、たかしがゲームでつけているニックネームで呼んでいるのが、なんとも可笑しかったです。

「あ〜! しんごくんやー!」
ジュカインです。
「あ〜! びるかーやー!」
ペリッパーです。
「くさくさおやー!」
「ぐーくんやー!」
「さふぁーも いてるー!」
「じじばばが しんかしたヤツもいるー!」

独特のセンスでつけられたニックネーム。
たぶん、私しかわからないんやろうなぁ。

私が思っていたよりも、ポケモンの映画は、ずっと感動的なものでした。
なんか鼻をぐすぐす言わせているなぁーと思ったら、やっぱり泣いていました。

明らかに「泣ける」場面で、私に向かって「にこっ」と笑い、そして私に背を向けてテレビを見ていました。

肩がひくひくなっています。

・・・わかりやすいヤツ。

「かあちゃん、はどうって、なんや?」
1番肝腎のキーワードがわかっていないのに、泣いていました。

「波動」とか「気」とか、ゲームでのHPの説明は、難しいです。
MPなんかは、もっと説明し辛い。

ポケモンのゲームでは、ポケモンは死なずに「ひんし」となります。
ま、ザオリクで生き返るものだと信じてしまうと、それはそれでちょっとヤバいですが。

ウチの近くの教会を見て「ここで おかね はらうと、いきかえるんやろ?」と言った時は、なんとなく「現代の問題」に直面したように思いました。

バーチャルと現実の混同・・・。
ま、たかしの前でドラクエばっかりしていた私も悪いのですが。

次の日は「ミュウツーの逆襲」を見ました。

やっぱり「泣ける」場面で、ウソの欠伸をしてみせ、目をこすっていました。

「かあちゃん、なんか ねむいわー」
「今日は早よ寝よしや」

騙されたフリもしないといけないし。

ピカチュウが、ぼろぼろと泣く場面では、同じようにぼろぼろ。
ティッシュが早くなくなります。

でも、やっぱりピカチュウやプラスル、マイナンといった「かわいい系」のポケモンを見ては「かわいい〜かわいい〜」と叫んでいました。

こいつ、絶対に「ドラゴンボール」にもハマるな。

たかしがハマる要素の「戦い」「友情」「かわいい」が揃ってるもんな。
天下一武道会にわくわくして、ヤムチャが死んだら涙するんやろうなぁ。
そしてカリン様あたりを「かわいい〜」て言うんやろうな。
渋いサブキャラが好きなたかしは、きっとピッコロが好きになると思うな。

でも、悲しい場面で泣けるたかしを見ていて、ちょっと思いました。

私は、小さい時から「悲しくて」泣くことなど、滅多にありませんでした。
泣くのは、大抵「悔しくて」泣いていました。

家族が亡くなった時も、悲しいよりもむしろ悔しい思いの方が大きかったように思います。

悲しかったら、泣ける。
ちょっと羨ましい気がします。

私の理想の家庭の要素に「泣く事ができる家」というものがあります。
たかしに思う存分泣いてもらう為には、こちらもいろいろと考えます。

笑わない。
からかわない。
気持ちを共有する為に、私もちゃんと見る。
大事なのは、気持ちを否定しないこと。

前のたかしなら、ここまででよかったのですが、もうひとつ、大事な点が出来てきました。

ごまかしている時は、ちゃんとごまかされる。

欠伸でごまかしたりする姿を見ると、幼児から少年になったのだなぁと思います。

しかし、困ったことがひとつ。

暫くの間、たかしが「ピカー」とか「ピカチュウ」としか喋らなくなってしまいました。

「もう寝よか」
「ピカチュウ」
「パジャマ、お着替えしてや」
「ピカチュウ」
「あ、またズボンが前と後ろ、反対やん」
「ピカー」

仕方の無いヤツだ。

「あのな、ピカチュウってな、触ったらどんな感じなんやろう?」
「どーゆーこと?」
「こう、毛は生えてるんやろか」
「ん〜、○ちゃんみたいに?」
「うん」
「たぶんな、○ちゃんより、ちょっと みじかい けが はえてるんちがう?」
「触った感じは?」
「ぜったいに、ふわふわ」
「冷たいんかなぁ」
「ぜったいに、あったかい」

「ムーミンは、触ったらどんな感じなんやろうなぁ」
「けのこと?」
「スノークっていう人は髪の毛がちゃんとあったしな、ムーミンって、つるつるなんやろか?」
「・・・かあちゃん、いっつも そんなことばっかり かんがえてんの?」

バレました。
by marurin373 | 2006-04-17 16:20 | 息子(たかし) | Trackback | Comments(0)