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「こっち」と「あっち」の境界線

ずっとずっと心に引っ掛かっている事。

保育園に行くと、ちょっと仲良くなった子供達は、必ず私に「これ、なに?」と、聞いてきはります。

杖です。

そらそうやわなぁ、気になるよなぁ。

で、どの子にも同じ事を話します。

「おばちゃんな、足悪いしな、これないと、歩けへんねん」
「ふ〜ん」

もう少し話すようになると、次は「ちょっと かして」です。

この時も、同じ事を言います。

「これなぁ、おばちゃんの大事なもんやしな、貸してあげられへんねん、ごめんな」
「ふ〜ん」

私は、ちょっと大袈裟ですが「杖をつかないと外を歩くことができない人もいる」ということを、子供達が知る、それだけでも私が存在する意義があると思っています。

たかしが横にいる時は、必ずたかしが「かあちゃんの つえ、さわったら あかん!」と注意してくれますが、他の子でも、違う子が触ろうとすると「あかん」と言ってくれはります。


この間も、割とよく話すようになった子が、他の子と同じように「これ なに?」と聞いてきはりました。

「これか? 杖やねん」
「なんで もってんの?」
「おばちゃんな、足悪いしな、これないと、歩けへんねん」
「ほな、あしが 3ぼん あるんやな!」

私が「そうそう、両方とも足が悪いから、杖に助けてもらってるねん」と言おうとしたら・・・。

その子のお母さんが、無言で、その子の頭を思いっきり叩かはりました。

「バシーン!」て。

その子は、お母さんに「ごめんなさい」と謝り、その後は私の顔を見ることはありませんでした。

私は「タブーにされてしもた」とショックで、何も言えませんでした。

私をきっかけにしてくれはったらええのに。
そしたら、杖を持ってる人に対して「足が悪いんやな」ってわかるようになるし、杖の色の違いとか、どんどん話が拡げられるのに。
バスや電車で席を替わることや、いろんなことを伝えるきっかけになるのに。

私は、自分が頭を叩かれたような気になりました。

「こっち」と「あっち」。

私は、世間的には「隠された」存在なんか?
「日常的」ではないということ?
「触れたらあかん」こと?


腎臓で障害者手帳をもらった時「言わへんかったらバレへん」と言われました。

足が悪くなって、杖をつくようになると「杖がなかったら、バレへんのに」と言われました。

私の腎臓や足が悪いということは、内緒にせなあかんこと?


駅にエスカレーターが設置されるようになりましたが「上り」だけあって「下り」は階段、という所も多くあります。

本当は、階段を「上がる」よりも「下りる」時の方が大変やのに。

すべての「バリアフリー」の基準が「健常者」の基準であることがわかります。

私も「何ができて、何ができないか」を、もっと言うべきなのですが、でもバスや電車の中で「席を替わって下さい」とは、未だ言えません。

たかしと一緒の時は、たかしが大きな声で「かあちゃん、あし いたいのになぁ〜、だれか せき、かわってくれやーらへんかなぁ〜」と言います。

それはそれで恥ずかしいのですが、私ももっと図太くならないといけないのかもしれません。

確かに、荷物を持っていて、たかしの手を繋いで乗り物に立っている、というのは、非常にツライし、しんどい。

アナウンスの「御身体の不自由な方、乳幼児をお連れの方」の両方に当て嵌まります。

でも、大抵は元気そうなおばちゃんや、大学生さん達が座ったはる横で立っています。


私が頭を金髪の角刈りにした時「障害者らしくない」と言われました。

・・・よくわからへん。

「バレたらあかん」けど「障害者らしく」ないとあかんのか?


頭を「バシーン!」と叩かれた子は、後日、お母さんがいない時、私に「ふふふ、おばあさんみたいやな」と言ってきました。

「うん、おばあさんやなくてもな、足が悪い人、いてるよ」
「ふ〜ん」

ま、これはこれでよかった・・・と思うことにします。

でも、ずーっと引っ掛かっています。
子供の頭を「バシーン!」と叩かはった瞬間を、忘れることができません。
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Commented by suganaolucky5151 at 2006-06-05 17:32
突然お邪魔します。
私にはいわゆる知恵遅れの兄がいます。
生まれた時からいる自然な存在なのですが、
その話題には触れてはいけない」
という態度の人が多く時々じれったくなります。
友人と親しくなっていく過程で自然と兄弟の話に及ぶ時も、
結構タイミングと話し方に気をつけてしまいますね。
特に年配の方は、何故か
「ほら、◎◎さん(私)とこはお兄さんがね、ちょっとアレだから、ね。大変よね。」 という言い方をする事が多いです。
本当に何故でしょうね!?
生き物の多様性を理解できないのでしょうか。

お互い、どんな時にもごく自然体でいきましょう!
失礼しました。
Commented by stretch_tongari at 2006-06-05 17:46
私は健康で不自由の無い生活をしていますが、妊婦の時や子供を抱いて電車やバスに乗る時に立っている時は、優先席に学生や私より若くてピチピチのお姉さんが知らん顔して座っているのを見ると、心の中で誰かかわってよ!って思いました。

我が家のバアバは車椅子でないと移動できません。
選挙の投票に行った時に階段が登れなくて投票できずに帰る事がありましたが、次の選挙からはスロープがかけられました。

私も含めて、健常者には障害を持つ人の苦痛や不便が解らない事が多いです。
設備だけでなく、気持ちもバリアフリーにしないとダメですね。

見ないふりをするのではなく、もっともっと見ないと・・・
Commented by marurin373 at 2006-06-05 21:14
>suganaolucky5151さん
あります!! それ、ありますよねぇ〜!
子供達の方が自然に聞いてきてくれるので、こちらもちゃんと説明できますし、聞いてくれた子供達はちゃんとわかってくれはるんですが・・・。

それにしても、大変な生活をなさっているのですね・・・。

私の方も、また寄せていただきますね!
Commented by marurin373 at 2006-06-05 21:19
>tongariさん
妊娠中って、お腹が目立つようになる前の方が、ツライですよね。

お腹が大きい時の私は、座ったままのおばさんに「何ヶ月?」とかいろいろ聞かれて、立ったままの私は心の中で「このババァ・・・」って事もありました〜。

席を譲ってくださるのは、こちらも思わず「申し訳ないから、結構です・・・」って言いそうなおばあさんだったり。

元気な人程「見えない」のだと思います。

バァバさん、ご家族の方々は大変かもしれませんが、姫ちゃんにとってはいいことかもしれないと思います。
ウチの息子は、いろいろと我慢しているみたいですが・・・。
Commented by suganaolucky5151 at 2006-06-05 22:22
もうイッペンだけコメントお許しください。
(返信とか気を使わないでくださいね)

>子供達の方が自然に聞いてきてくれるので
 ↑そう、そうなんですよ!
普通と違う人(物)を見た時、不思議に思うのは
至極当然なんですよね。
大人はただ、その「違い」がどんなものなのか、
説明すればよいと思います。

「手が動かないと荷物を持てなくて不便だね。」とか、
「おしゃべりできないと悲しい時や痛い時に辛いね。」とか。

まるで触れてはいけない事のように沈黙するのは
「あなたを理解したいと思ってません。」
と宣言しているようなものですよね???

stretch_tongariさんのコメントの通り、
見ないフリではなく、もっと見る事が必要だと思います。

ながながスミマセン。
私の琴線に触れたので、つい熱くなっちゃいました(笑)

私のブログはたいした内容もない愚痴みたいなモンですから
あんまり気にしないでくださいませ(恥)

Commented by marurin373 at 2006-06-06 00:54
>suganaoluckyさん
なんていうか、軽く「差別」を感じたんですよね・・・。

「言うたらあかんこと、失礼なこと」と「理解すること」の間は、とっても難しいのかもしれません。

「理解」の後で、何が「失礼なこと」かがわかると思うのですが、順序が逆のことが多いですね。

それに・・・。
私、杖ついて歩くことを別に「恥ずかしい」とか思ってないんですよね。
今の息子も、「かあちゃんは歩くのに杖が要る」って思ってくれているので、「恥ずかしいから一緒に歩きたくない」とは言いません。

って、私も4年前からの下肢障害です。
最近わかったことばかりなんですよ・・・。
 
Commented at 2006-06-06 12:23 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by marurin373 | 2006-06-05 17:19 | 思うこととかなど | Trackback | Comments(7)